特集寄稿
みんなもっとボートを支えようよ

昭和63年入学 岩尾 弘敏

 2000年は日本のボート界にとって画期的な年であった。8月クロワチアのザグレブで開催された世界選手権においてわが国史上初の金メダル(LM4×)を獲得、また9月のシドニー五輪において史上初の決勝進出、6位入賞を果たした(LM2×)。
 ところで日本のボート“競技”人口をご存知だろうか?平成12年度日本ボート協会には9,600人余りが選手登録されている。もちろん選手登録をせずにローカルな大会に出場している私のような「もぐり」も競技人口に加えていただければ、この数字は増えようが、日本の選手登録から見るカレント競技人口は、約1万人と考えてよいだろう。ちなみに登録団体数は661団体である。
 せっかく五輪の決勝進出までするようになったのだからというわけではないが、もっとボートの魅力を多くの人に伝えたいと思う。昨年アサヒ飲料の会長が日本ボート協会長に就任したことも関係してか、アサヒビールのCMにシドニー五輪のコースで撮影したレースのシーンがカッコよく登場していた。あと日大のスカラーの木村昇君が石原裕次郎コンテスト準グランプリから芸能界デビューするらしいから、彼を活用してPRするとか、そういったメディア戦略もよいだろう。だが、われわれレベルでできることとして、もっと身近な人々にボートのPRをすべきであろう。こんなにカッコよくって、キモチよくって、知的で、自然環境に優しくて、肥満防止に役立ち、ビールがうまく飲めて、仲間もたくさんできて、ストレス社会においては最高の気分転換になる等効能数多の魅力的スポーツをぜひPRすべきである。
 例えば、自分の子どもにやらせるのはもちろん、年頃の子どもがいる親戚でも知人でもよい。「お宅の息子さんスポーツ得意そうだけども、ぜひボートやらせなさい。私が教えてあげるよ」とかね。そのためにも、ボートの魅力をよくご存知のはずのOB、OG諸氏は、最新のボート競技に触れるために各地でボートに関わり続けるべきである。そしてただの傍観者ではなく、1万人もの競技者たちがいるボートというスポーツを積極的に支えて頂きたい。仕事はたくさんあるのです。
 もし「ボートは漕いでこそ」とお考えならば、その手始めとして最寄りの艇庫のある水域に直接お出かけになるか、各都道府県の協会にお問い合わせ願いたい。地元の人たちと関わり地元のクラブに所属して新しい仲間ともう一度漕いではいかがでしょうか?漕ぐこと自体が競技人口を支えることになる。また指導者的な立場に立つならばこれはもうボートを支えるありがたい人材である。
 またボートに関わる方法の一つとして、大会の運営にボランティアとして関わるという方法がある。朝日レガッタのような巨大レガッタから市民レガッタ規模のものまで各地域の協会が運営する大会ではボランティアの人手を求めている。ボートに関して多少なりとも知識と能力と情熱をお持ちの方であれば、すぐに受け入れられるはずである。
 その手始めとして「審判」資格を取得されてはいかがでしょう?北海道で審判として現在活動しているのは、現北大監督の山口理喜三氏(S33入)、菅井俊彦氏(S49入)、黒坂宏子氏(S53入)、沼田祐司氏(S53入)、小生(S63入)、津川剛氏(H4入)といったところである。このほか高校のコーチ陣、大会の水路関係で活躍の亀山聖二氏(S60入)、須田善行氏(H2入)も審判資格を有する。また関西のほうでは島谷陽子氏(H2入)が活躍しているそうである。審判試験は定期的にやっているわけではないので、各都道府県の協会にお問い合わせ願いたい。まずはC級審判からで4年の実務を経ると全日本選手権など全国大会の業務を行うB級審判の受験が可能になる。そうして資格をとれば、例えば北大が決勝でタフなレースを制して優勝するレースを、選手たちの表情が一番よく見える場所で追航しながら見物するようなこともできるわけである。(そんなときでも「審判」はあくまで公平・公正なので、にこりともせずにレース成立の白旗を上げるのである)
 また、審判の大きな楽しみの一つは、地元の若い選手があっという間に成長して全国大会などで活躍するようになる過程を見られることである。
 いずれの形でも構わない。ボートに積極的に関わり、支えて頂きたい。
 遠からず予想される、将来オリンピックで日本が金メダルを取るシーンをイメージしてほしい。そのときボートファンとして心から一緒に喜びを分かち合いたいのであれば、その第一歩として近くの水域に出向いて自ら何らかのアクションを起こすことである。