支部活動報告 関東支部

OBの熱気が欲しい

関東支部長 大塚 啓二郎

 現役時代には素晴らしい活躍をしていたOB達が、なかなか戸田の試合や関東支部の集まりに顔を出してくれなくなってしまった。どう考えても異常な事態である。私は、多くのOB達が「どうせ他のOB達も行かないから、行ってもしようがない」と思っているのが原因だと思っている。
 昨年の秋に関東支部長を仰せつかり、私なりにOBの再結束をはかるべく努力を開始した。「大学の先生は暇に違いないから大塚は適任だ」と思っている方がいるかもしれないが、それは大きな間違いである。私は相変わらず研究に没頭しており非常に忙しい。おまけに研究会の幹事やら、組織の代表やら、研究以外の仕事も増えてますます多忙になっている。そこで2001年の4月からは、都立大学よりはだいぶ講義負担や学内の雑用が少ない「(財)国際開発高等教育機構」に籍を移し、研究に専念する計画である。なおこの財団は外務省の海外援助に関するシンクタンクであり、研究部門を持っている。
 要するにボート部が好きだから支部長を引きうけたのであって、学生諸君と同じように、「学問とボートを両立」させるために私自身も苦労をしているのである。ボート部のことが気になって仕方がないのは、実は自分が学問でやっていることと、ボート部時代にやっていたことが似かよっているからではないかと思う。ボートに試合があるように、学問にも「試合」がある。ローカルな試合に相当するのはレフリー付きの学術雑誌に投稿して、「採択」か「棄却」かを「争う」時である。採択率は通常2〜3割だから、「負ける」ことも多い。しかし「負けてはならない」のである。全日本の試合に相当するのは国際会議だ。国際会議は学者にとってはまさに戦場である。自分の報告の良し悪しはもちろん大事だが、どれだけ他の人の報告を的確に批判したり、建設的なコメントができるかが勝負の分かれ目となる。そこで勝利を収めるためには、10年や20年単位の長期間にわたる、たゆまぬ努力と厳しい鍛錬が要求される。だからオアーズマンスピリットは、私の学問に対する姿勢とピッタリ一致する。自分が勝ちたいからこそ、わが北大ボート部を勝たせたいと思う。
 さて話を元に戻そう。関東支部の幹事役を引き受けてくれている牧野君や若手のOBの活躍、さらに杉藤コーチの出席のおかげもあって、関東支部の2000年1月の新年会はまずまずの盛会であった。かつては10名にも満たなかった出席者が40名を超えた。しかしこれでは人数的な意味でOBの熱気が不足であると私は思っている。ちなみに2001年度は芦立キャプテンを新年会に呼んで話をしてもらう計画であり、より多くのOBの出席を望みたい。
 私の考え方が正しいとすると、新年会の余勢をかって「他のOB達も顔を出し始めたようだから、俺も出かけるか」という流れが出来るはずであった。ところがその後の状況は、私のシナリオどおりには進展していないようである。私自身が戸田合宿があった春休みや、レースのあった夏休みに日本にいなかったのもまずかった。しかし私の専門は途上国の発展問題であり、休暇中に海外に出かけなければ商売にならない。それにしても、もし私が日本にいれば、もう少し動員をかけたであろうし、それが雪だるま式の好循環を生んだかもしれないと思う。
 とにかく北大ボート部は今こそが飛躍の最大のチャンスである。いろいろと内部的な問題もあるようだが、私は、北大ボート部は上昇気流に乗ったと判断している。杉藤コーチの指導力が目に見える効果を発揮しはじめている。これは大きな変化である。「勝てる」と思うからこそ辛い練習が出来るのであって、本音では「勝てない」と思っていては辛い練習には耐えられない。来年のクルーは勝てると思っている。だから2001年のシーズンは絶対に逃してはならない浮上のチャンスである。
 萩原理事長をはじめとするOBの情熱で、立派な理事会もできた。あとはOB全員の熱気で、一層激しい上昇気流を作り出すことが大きな課題であろう。そのために私もさらなる努力を傾けたいと思う。